既刊艶本紹介 (5)

kv1  

 小吉物語・巻一:B5判、183頁 「二十禁」:2009年6月上梓

 

 [内容紹介]

   これはB5版で全編494頁に及ぶ長編の前篇でB5版で183頁になる。主として明治半ばから大正期を闊達に生きた(羽織芸者としての源氏名を小吉と云い、舞の芸名を千代菊と名乗った)一人の女芸人である主人公みちよに直接間接にまつわる様々な人物たちの展開する 性愛物語である。その中で主人公みちよが生れ育ち、女として磨かれ、成長して行く姿が語られる。この物語では、江戸末期に生きた人物の習俗も描かれ、昭和の六十年代頃まで遺制としてまだあちこちの地方や地域社会で残っていたと云われる「筆下ろし」や「新鉢割り」あるいは「水揚げ」などの習俗も随所で語られる。この巻は、様々な赤裸々な性愛描写に彩られており、極めて艶冶な一篇である。文体は古典的で、江戸前の言葉の他に京言葉や難波言葉が多出する。

 主人公みちよは、生まれる前から母菊乃の悪阻の気伏せを紛らわす新内や小唄、端唄などの三味線の弾き語りを聞いて育つ。数え五歳になると、菊乃は迷わず「演芸芸妓にする」と決めて、みちよは綾菊祥師匠の元で読み書き手習いから始まりあらゆる文芸の素養と三味線と新内長唄などの音曲の稽古を受け、人並み優れた才能を発揮し初める。みちよは、数え十三歳の夏に、直接の血のつながりの無い遠縁の高級呉服商扇屋庄左衛門の手で水揚げされて「世の仲」を知り初め、初めから極楽浄土の悦楽を経験する。それ以降庄左衛門の渾身の支援を得て、庄左衛門のお膳立てで数え十五歳で深川から演芸芸妓小吉として突き出される。みちよは、旦那に「庄左衛門命」と操を立て通しながら、奔放な人気芸妓に育っていくが、十八の歳に図らずも長男仙太郎を生んで、庄左衛門の後妻となり、手厚い庇護を受けながら芸妓家業を続けるが、二十二歳の師走の末に庄左衛門が新橋駅で脳溢血で斃れて世を去り、途方に暮れる。

全編通して読む方法は、二通りあります。下のボタン"Foreward" をクリックするか、「eBooks」をクリックして、Ehon のサイトから戯作艶本一覧表のお望みの作品の表紙画像をダブルクリックすると、その作品のPDFファイルが自動的に開きます。

 

bk fw (全篇購読は、こちらをクリック)

ftr