既刊艶本紹介 (2)

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  [初恋] B5版197頁 「二十禁」、2009年4月上梓

 

 [内容紹介]

 この物語は、露西亜の文豪チェーホフの短篇(というよりは小篇と呼ぶ方が適切かと思われる)、「初恋」に題材を採った作品であるが、さしたる感動も呼ばない原作に比して、筋書きは全く異なる展開をする。物語の時代背景は、チェーホフの時代を更に百年ほど遡る江戸中期に設定されている。ここに登場する主人公たちは、総じて愚かに終始した江戸時代の支配者、武士階級の行動形態とその様式に対する「反定立」として、いわば「あらまほしかりき理想像」として、人物像と行動様式共に人間的に描かれ、当然現実には存在しえなかった虚像である。この物語でも、ふんだんにあからさまな性愛描写が鏤められ、「世の仲」の本然の姿が語られる。文体は古典的で用語は難解。

 神君家康公の備え十六騎の内の「不動の護り四騎の筆頭」と自他共に認じた豪勇無双、不動の武将加藤山代守左馬資季衡 の血を引く八千石の直参旗本松平三河守定衡の三男秀衡とその愛妻吉乃との間の数奇な性愛物語。秀衡がまだ幼名の福千代を名乗っていた頃の「その乙女」との出逢いで芽生えた恋心とそれを切っ掛けに始まる夢精…、その乙女と父定衡との衝撃の荒々しい性愛を目撃して恋心が弾け散り、自分の真の初恋の相手が乳母「ねえや」の吉野であったことを覚る。その後、父定衡の気まぐれから、吉野が福千代の「初伽」の相手を務め、それが因で吉野は元服前の福千代の子を妊り、定衡の裁量で福千代の側室吉乃としてその児鶴松を生む。その後定衡の嫡子元衡が大坂城代勤番から帰還の直前に脚気衝心で夭逝し、福千代が元服して秀衡として三河守家の世継ぎとなり、吉乃がその正室に直り、それ以降二人の宿世の関係が濃厚に続いて、既に女として高齢期に入ったにも拘わらず五男二女をもうけて三河守家一統の驚きの隆盛をもたらす基になっていく。

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